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外国人の団体交渉

外国人の団体交渉

「勤務態度の悪い外国人従業員を解雇したところ、労働組合から団体交渉を申し入れられた」
「うつ病で満足に仕事ができない従業員に退職勧告を出したところ、労働組合から不当解雇だと言われている」
「聞いたこともない地域のユニオンから団体交渉を申し込まれた」

団体交渉には社内の労働組合から申し込まれる場合と社外の合同労組(ユニオン)から申し込まれる場合とがあります。外国人従業員の場合、地域のユニオンに所属している場合が多く、最近では日本で働く外国人労働者が団体交渉を申し入れるケースが増えてきています。

中華料理店「日高屋」を首都圏で約400店展開するハイデイ日高では、外国人従業員が約3千人加入する企業内労働組合が結成され、組合員数9千人のうち外国人従業員が組合員の約3分の1を占める労働組合となっていることが話題となりました。

外国人労働者に特有の労組対応

外国人労働者が団体交渉を申し入れてきた際は、団体交渉での使用言語に配慮する必要があります。

東京学芸大学不当労働行為審査事件(都労委平成27年不第17号)では、中学校の外国人教師が英語での交渉を求めた一方、学校側は日本語での交渉と通訳の手配を求めたため、議論にならず交渉が打ち切りになりました。

この事件で、都労委は、「日本語による交渉並びに同組合らによる通訳者の手配及び同行という条件に固執することなく、誠実な団体交渉に応じなければならない。」という学校側への救済命令を発しており、労使間交渉であっても、双方が歩み寄り、配慮すること必要です。

ユニオンに駆け込まれた場合は弁護士をご活用ください

従業員との労務トラブルについて、企業が、ユニオンあるいは合同労働組合と呼ばれる外部の労働組合から、突然、団体交渉を申し入れられるというケースもあります。

ユニオンの交渉担当者の中には、企業の弱点を徹底的に攻め、有利な交渉結果を引き出そうとする担当者も多くいます。

しかし、ユニオンからの要求も、法律的に全く理由のない要求であるケースもあります。
そのような要求に気圧されないためには、法律的な理論武装をして、労働組合の要求や追及に対してしっかりと対応できる体制を整えることが不可欠です。

ユニオンは日常的に労働問題ばかり扱っているので、労働法を熟知しています。何も対策を立てずに交渉に臨んでしまうことで、相手に主導権を握られ、全面的に労働者側の主張を受け入れなくてはならない状況に陥りかねません。

弁護士に依頼をしていただくことで、労働組合との交渉や労働協約に関する書類の作成、労働者との条件調整などを代理で行うことができます。一度労働組合に駆け込まれてしまった場合は、毅然とした対応を行わないと、更に別の労働者へと飛び火したりとリスクもあります。とにかく迅速な対応が必要となりますので、早急に弁護士へご相談ください。

参照
・外国人雇用の実務 第2版
・改訂 はじめての入管法