外食業分野における特定技能外国人の雇用について,外食業分野特定技能の在留資格を取得するための基準や,受入企業が準備しておくべきことについてお伝えします。
外食業分野における人材不足は顕著で,同分野の有効求人倍率は4.32倍(飲食店主・店長,飲食物給仕係,調理人の加重平均値)であり,全産業平均1.54倍であるのと比べると極めて高くなっており,外食業を含む「宿泊業,飲食サービス業」の欠員率は,全産業計が2.4%なのに対し5.4%と2倍以上高い水準となっています。
また,外食業分野においては,近年増加している外国人旅行客などへの対応が求められる中で,手作り感やホスピタリティといった付加価値を創り出すことが求められます。お客様の状況に応じて臨機応変に対応の仕方や,作業内容を変えるなどの判断が必要になるため,機械化の取組にも限りがあります。さらに,外食業分野で即戦力となるためには,①衛生管理に関する知識・技能,②飲食物調理に関する知識・技能,③接客全般に関する知識・技能,を有することが必要なため,急いで外国人を含め,必要な人材を確保していくことが必要な状況にあります。
外食業分野における特定技能1号外国人の雇用対象業種・業務などは下記の表1・2をご覧ください。
表1 対象業種・業務などについて
参考:農林水産省HPより
表2 対象業種・職種などについて
参考:農林水産省HPより
【外食業分野特定技能の在留資格を取得するための試験】
<技能試験>
「外食業特定技能1号技能測定試験」
試験言語:現地語及び日本語
実施主体:一般社団法人外国人食品産業技能評価機構
実施方法:CBT(コンピュータ・ベースド・テスティング)方式 またはペーパーテスト方式(マークシート利用)
※具体的な試験内容などについては,実施主体HP(https://otaff.or.jp/)でご確認ください。
※①「退学・除籍処分となった留学生」,②「失踪した技能実習生」,③在留資格「特定活動(難民認定申請)」により在留する者,④在留資格「技能実習」を含め活動計画の作成が求められる在留資格で現に活動中の者については,その在留資格の性格上,試験の受験資格を認めらせません。
<日本語試験>
(1)「国際交流基金日本語基礎テスト」
実施主体:独立行政法人国際交流基金
実施方法:CBT(コンピュータ・ベースド・テスティング)方式
(2)「日本語能力試験(N4以上)」
実施主体:独立行政法人国際交流基金および公益財団法人日本国際教育支援協会
実施方法:マークシート方式
<技能実習2号を良好に修了した者の技能試験と日本語能力の評価>
(1)「医療・福祉施設給食製造職種:医療・福祉施設給食製造」の第2号技能実習を良好に修了した者については,上記<技能試験>が免除されます。
(2)職種・作業の種類にかかわらず,第2号技能実習を良好に修了した者については,上記<日本語試験>が免除されます。
【特定技能外国人を受入れるために企業が準備すること・注意すること】
特定技能外国人を受入れる「特定技能所属機関」は,下記の準備・注意が必要です。
「食品産業特定技能協議会」の構成員になること
初めて外食業分野の特定技能外国人を受入れた場合には,特定技能外国人の入国後4カ月以内に食品産業特定技能協議会に加入し,加入後は農林水産省および協議会に対し,必要な協力を行うこと
特定技能所属機関は,登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の実施を委託するにあたっては,上記1・2の条件を全て満たす協議会の構成員となっており,かつ,農林水産省および協議会に対して必要な協力を行う登録支援機関に委託すること
※1号特定技能外国人に,接待飲食等営業を営む営業所において就労をさせることはできません。また,風営法第2条第3項(喫茶店,バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で,他から見通すことが困難であり,かつ,その広さが5平方メートル以下である客席を設けて営むもの)に規定する接客を行わせることはできません。
飲食料品製造業分野における特定技能外国人の受入れについては、外国人雇用に精通した専門家にご相談ください。