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外国人労務顧問のメリット

外国人労務顧問のメリット

2019年4月の改正入管法施行に伴い、企業による外国人雇用が活性化するとともに、外国人を雇用することに対する規制が厳しくなっています。

外国人を雇用した企業が満たすべき基準は以下のとおりとなっています。

  1. 労働,社会保険及び租税に関する法令を遵守していること

  2. 1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと

  3. 1年以内に行方不明者を発生させていないこと

  4. 欠格事由(5年以内に出入国・労働法令違反がないこと等)に該当しないこと

  5. 特定技能外国人の活動内容に関わる文書を作成し、雇用契約終了日から1年以上備え置くこと

  6. 外国人等が保証金の徴収等をされていることを受入れ機関が認識して雇用契約を締結していないこと

  7. 受入れ機関が保証金の徴収等を定める契約等を締結していないこと

  8. 支援に要する費用を、直接または間接に外国人に負担させないこと

  9. 労働者派遣をする場合には,派遣先が上記1から4の各基準を満たすこと

  10. 労働保険関係の成立の届出等を講じていること

  11. 雇用契約を継続して履行できる体制が適切に整備されていること(財政状況など)

  12. 報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと(金融庁が銀行へ通達も)

  13. 分野に特有の基準に適合すること

対象が日本人であるか外国人であるかに関わらず、法律違反が一つでも発覚すると、最低5年間の外国人雇用が認められなくなる恐れがあるため、外国人を雇用する企業は、労働法令、社会保険法令、租税法令など複数の法令遵守にこれまで以上に慎重になる必要があります。
実際にパナソニックでは、富山工場で月最長138時間の違法な残業をさせたとして、労働基準法違反罪で法人に対する30万円の罰金刑が確定し、労働法令違反企業は実習生の受け入れができないと定めている技能実習適正化法に基づき、計画認定が取り消され、今後5年間、新たな実習生の受け入れができなくなっただけでなく、特定技能外国人の受入れもできなくなりました。

また、改正入管法で新たに追加された、在留資格「特定技能」では、業種ごとに技能試験や日本語能力試験があり、試験に合格しなければ在留資格を得られません。
就労資格がない外国人を採用すると、不法就労助長罪に問われますので、企業の人事担当者は、その旨をしっかり理解し、採用活動を進める必要があります。しかも、不法就労助長罪は、不法就労の外国人を雇用することで成立しますので、雇用した外国人が不法就労にあたることを、「知らなかった。本人に口頭で確認したら、違うと言われた。」という理由は認められません。在留カードを確認していないなどの過失がある場合には、処罰を免れることはできない厳しい法律ですので厳重注意が必要です。
更に、無事雇用できたあとには、定期的に入国管理局へ複数の届出をする必要があります。届け出に不足があると、罰金や過料の制裁が課されますので、いつ何が起きた時、どのような届出をどこにすべきかを正確に把握しておく必要があります。

入管法に精通した弁護士であれば、外国人労働者の受入れ可否の判断から、法令遵守や届出のサポート、労務監査に至るまでを経営者とともに進めていくことができますので、まずはお気軽にご相談ください。